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劇団四季 マンマ・ミーア! WATERLOO RADIO

ABBAのユニークなコスチュームはスウェーデンの高額税金控除の為だったって本当?(後編)

名曲「マネー、マネー、マネー」では1920年代のフラッパーたちの華やかさを表現しています。「スーパー・トゥルーパー」では軍隊のような衣装が必要とされ、日本の着物にインスパイアされたローブに “スウェーデンの小さな花 “が描かれて衣装もありました。この着物にインスパイアされた作品は、ウェブサイトで実際に購入することができます。

https://shop.abbathemuseum.com/en/product/abba-frida-kimono/

フリーダは、常に自分のデザインに意見を言ってくれる優れた”裁縫師”であり、すべての服が曲のメッセージを反映しているかどうかを確認するために、サンドストロームと一緒にグループでブレインストーミングを行なっていました。例えば、アグネタのお気に入りのシャツは、グループのナンバー「イーグル」のためにクルーが手描きで描いた、愛すべきウォンキーなうさぎの絵でした。

ここにABBAの衣装のレシピがあります。「明確な視覚的比喩、キッチュ、そして(しばしば)動物の部分が等しく含まれている」。サンドストロームは動物に夢中でした。彼は動物学者であり、彼のクリエイティブな精神についてのインタビューでは、スパンコールとプランクトンの両方の重要性を詩的に語ることができるそうです。彼は5ヶ国語を話し、気象学のトレーニングを受け、植物学、海洋生物学、化学、文化地理学、遺伝学を専攻し、動物学の修士号を取得しました。現在は、ガラパゴス諸島のツアーを率い、スウェーデンのストックホルムにあるスポンガ体育館で、高校レベルの熱帯動物のコースを教えています。裁縫をする時間をどこで見つけたのかは、私たちの知る限りではありません。最も不思議なことに、前述のシドニー・ヘラルド紙の記事によると、「100種1,200匹の動物を飼っている自分だけの動物園を経営している」のだそうです。

“手描きのキャットスーツ”というもう一つの象徴的な外観について、彼は2009年にFolkbladet誌に「私のビルマ猫をモデルにさせてもらった」と語っています。「動物は私に多くのインスピレーションを与えてくれました」と彼は言い、アグネタやフリーダが「トラのような」エネルギーを体現したかったことを説明しています。サンドストロームのファッションでスウェーデンの国旗の色を使った衣装は、北欧の民俗学的なものではなく、彼女たちの文化にちなんだものになっています。

このルックは、ABBAファンの間では非常に象徴的なものとなっており、ウェブサイトでCatのTシャツを手に入れることができます。

https://shop.abbathemuseum.com/en/product/yellow-cat-woman-t-shirt/

この時点で、おそらくサンドストロームのデザインについて、2つの意見が出てくることでしょう。つまり(サンドストロームの衣装が)「好きな人と嫌いな人」。しかし彼は反論します。「最初から認めざるを得ないのは、(僕が)ABBAのデザイナーであったこと、それは簡単なことではなかった」と彼は2018年のABBAミュージアムのイベントで述べました。「何もかもが拍手されても全く満足できなかったよ。人々は猫や花を見て、『ルナティック!』と言っていました。その意味はもしかしてサーカスのショー?それともドラッグショー?」

「私の正直な意見としては、当時の私たちは狂ったように見えました。だってどのミュージシャンもABBAが(当時)着ていたひどいドレスを着ていなかったのですから」と、グループメンバーのビヨルン著書『ABBA. The Official Photo Book』の中で述べています。

アーティストとレーベルが推奨する『アーティストのイメージ』の戦いは、ミュージシャンと彼らを崇拝する一般の人々にとって、常に不毛地帯でした。ある時期、サンドストロームは、アグネタの、あのハイトーンの魅力、そして彼女の音楽的才能を押し上げるだけではなく、むしろそれを力づけ、褒め称えるものであることを衣装を通して確認したかったと語っています。ある意味、残忍な音楽業界の中で、このような意見を聞くのは新鮮な気遣いのように思えます。

やはりABBAは狂った格好をしていたと言うことになるのでしょうか?サンドストロームの意見を参考にする限りは「それは正確」と言えるでしょう。彼は衣装のデザインが下手だったのか?いいえ違います。ディスコに取り付かれた17歳の若者(「ダンシング・クイーン」)を歌っていたバンド(ABBA)にとって、それは楽しく、ブランドに沿って(数々の曲を)披露したものであり、ABBAの衣装の後押しで、グループは世界的な”文化的地位”に押し上げられたのではないかという意見はおそらく違いないことでしょう。当初は批評家から嘲笑されていましたが、ABBAの愛、失恋、野心を歌った曲は、即効性があり、キャッチーで、アクセスしやすいからこそ衣装はより意味を持たせたことになるわけです。

時が経つにつれ、当時ABBAの衣装が「気違い」と言われていた現象はABBAの自己表現の象徴と言われるようになり、マーク・ボランやデヴィッド・ボウイのようなグラマー・ロックのルックスと並んで進化していきました。1980年代には、ゲイの権利運動のため”新たな命”にABBAの衣装は一役買いました。1990年代には『マンマ・ミーア!』がブロードウェイのミュージカルに影響を与え、またメリル・ストリープ主演による映画化も実現されました。現在は世界で唯一、日本だけでミュージカル『マンマ・ミーア!』を観ることができます。

サンドストローム氏によると、多くのポップスターがABBAの現役当時ののコスチュームを着たいと懇願しているそうですが、マドンナだけがABBAのサンプル曲「ハング・アップ」(2005年)のためにオリジナルのボディスーツのコピーを着ることを許されています。もし今すぐサンドストローム作品を見たいならばストックホルムにある『ABBA The Museum』に行かなければなりません。

近年、間違いなくポップカルチャーの中で最も知られていないデザイナーであったウーヴェ・サンドストロームは今まで以上に多忙な日々を送っているようで、かつてのABBAとの旅を懐かしそうに語っています。「ロンドンの批評家たちは『この衣装はなんだ!こんなのやめてくれ、これでは観客には全くウケナイ』と言っていました。レディー・ガガはABBAの衣装が好きで好きでたまらないようですが、当時、彼女はまだ生まれてもいなかったんですよ。最終的にはABBAの歌の歌詞ではないけど『勝者がすべてを手に入れる』(「ザ・ウィナー」)ということになるようです(継続は力なり)」。

追伸:最後に、特別なご褒美として、あまり知られていないスウェーデンのバンドの楽しいファッションパレードをご紹介したいと思います。

https://www.messynessychic.com/2020/09/08/the-strange-anatomy-of-abbas-infamous-tax-deductible-wardrobe/


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