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劇団四季 マンマ・ミーア! WATERLOO RADIO

『CHESS』って何だっけ?<前篇>

日本初のミュージカル『CHESS』上演まで、いよいよ2週間を切ったが、『マンマ・ミーア!』のように頻繁に演じられているわけではないので、昨年、一昨年、梅田芸術劇場主催の『CHESS IN CONCERT』日本ヴァージョンを観た人や、海外で『CHESS』に触れた人達は除いて、多くの方々が「CHESSって何だっけ?」と思われていることだろう。

そこで今日、明日と二回にわたり「『CHESS』の大意」を当サイトで説明したいと思う。

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まず、登場人物。

<『CHESS』海外での配役>

フレデリック(フレディ)・トランパー:現世界CHESS・チャンピョン、アメリカのCHESS・チャンピオン

アナトリー・セルゲイフスキー:ソ連のCHESSチャンピョン、既婚者

フローレンス・ヴァッシー:フレディのセコンド兼秘書兼恋人、やがてアナトリーと恋に落ちる

アービター(審判員):ワールド・CHESS・チャンピョンシップの審判

モロコフ:アナトリーのセコンドでソ連KGB

ウォルター・コーシー:アメリカのマーチャンダイザー兼フレディのエージェント、グローバルテレビジョンの司会者

スヴェトラーナ・セルゲイフスキー:アナトリーの貞淑な妻(第一幕では原則、出て来ない)

新CHESS相関図 *画面をクリックすると拡大します!!

<第一幕大意(ストーリー)>・・・『CHESS』は主催者(監督)により「設定」も「曲」も違う。ここでは最もわかりやすい流れを列挙する。

1979年メラノ

70年代後半の米ソ冷戦のさなか、イタリアのチロル地方の町、メラノで『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』が開催されようとしていた。現世界チャンピオンはアメリカのフレデリック・トランパー、対する挑戦者はソ連のアナトリー・セルゲイフスキー。さあ、決戦は如何に!?

メラノ

どちらのプレイヤーにも大勢の支援者がいるが、その中には政治目的の者や、賭けの目的の者もいる。実に多彩な人間がこの大会に絡んでする。フレデリック・トランパー、通称“フレディ”のグループのリーダーは、長く付き合っている恋人でハンガリー生まれのイギリス人、フローレンス・ヴァッシー。フレディのエージェントであるウォルター・コーシーもチームの一員だ。一方、アナトリーの一団のリーダーは、ソビエト政府KGBのアレクサンダー・モロコフで、この選手権を利用してソビエト共産(社会)主義者をなるべく多く産出するようTOPから命じられていた。CHESSの神聖な戦いは、プレイヤーのしならないところで、“米ソ冷戦”にそのまま利用されようとしていた。

知的スポーツであるCHESS選手権は、無情なまでに審判員(アービター)に支配される。アービターは強気だ。「私は審判、私の言葉は法律」。アービターが、古代CHESS・ゲームの起源や歴史を説明し、メラノでの世界選手権の開幕を高らかに告げる。

アービター

米ソ間のプロパガンダ競争には気付いていない素朴なメラノの人々は、自分達の街を世界中の人々に紹介できるのを楽しみにしていた。だが、この純粋な歓待ムードも、フレディとその一団が到着すると一変する。フレディは、あのテニス界の風雲児“ジョン・マッケンロー”を髣髴させるように物議をかもす発言を次々に発する。その度に、人々は注目し、フレディの奇行だけが目立つ。まるでフレディは、競技会で自分が悪役を演じることを嬉しく思っているようだ。保守的なメラノの人々は、せっかくの自分達の街を世界に正しく発信するチャンスをなくしたと感じ、自分達の街の賞賛の賛歌を終わらせる。

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フレディの挑発的な戦略に対するメディアの反応について、フレディとフローレンスはホテルの部屋で話し合う。フローレンスは、今度の記者会見では反ソ的な発言を控えるようにフレディに懇願するが、フレディは聞く耳持たずだ。そしてあろうことに、世界中から記者が集まるその会見で、フレディはフローレンスのアドバイスを忘れて記者を殴ってしまう。ああ、なんてことだ。世界的権威の大会の前に暴力とは……。だが、フローレンスはそんなフレディの常軌を逸した行動に驚嘆しながらも、それでもフレディの退場後、いつもと変わらず彼を弁護する。「私がいないとフレディは……」まるで「母と子の」関係のようだ。

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アナトリーとセコンドのKGBモロコフは、ホテルのテレビでこの奇怪な行動を見ていた。モロコフはフレディが正気ではないとフレディを切って捨てる。しかしアナトリーの考えは違った。フレディは、試合前に上等な手段を講じて、騒ぎを起こしているだけなのではないか?と考える。モロコフは、あのイカレタ、フレディを動揺させる為には恋人のフローレンスを利用するしかないとアナトリーに進言する。しかし、CHESSに集中したいアナトリーは、そうしたセコイ戦略が大嫌いだった。彼は、モロコフを追い出す。一人になったアナトリーは、この状況をじっくり考える。

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試合前の準備は進み、両者の代表者が選手権会場に集まって挨拶する。フレディとアナトリーの姿勢全く違った。友好関係を維持するのが精一杯であったが、アービターがようやく両者をとりなす。アービターは基本のルールを取り決め、試合の成功のために全員を協力させる。一方、ウォルター・コーシーが一番興味を持っているのはこの盛大な競技会をビジネスに役立てることであり、アービターの尊大な言葉とは対照的に、様々なCHESS商品を紹介する。そして、この競技会をテレビで世界にむけて紹介する。全てはマネー、マネー、マネー。

第一戦が始まった。プレイヤー両者はどんどん熱くなり、またもやフレディが暴れる。彼は自分の競技場でもあるCHESS盤をひっくり返してしまったのだ。ああ、またまたなんてことを……。会場はどよめき、悲嘆にくれ、あるいは怒り心頭、大騒ぎになる。アービターは騒ぎを静めようとする。モロコフとフローレンスを急いで呼び寄せて話し合い、まだ会場に残っていたアナトリーも話し合いに加わる。フローレンスは、二人のソ連人からの批判に対してフレディを誠実に弁護するが、アナトリーとのやり取りにはなぜか暖かい空気がある……。どうしたと言うのか?

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フローレンスとモロコフがホテルに戻って話し合う。どちらも試合の再開について心配しているものの、すぐに激しい言い合いになる。それは、フローレンスが自分の過去を話し始めたからだ。1956年にハンガリー動乱の際に国民がロシアに何をされたのか、幼少時に自分の家族に何が起こったかを話し、ロシア人は大嫌いだとモロコフに反ソ姿勢を示す。彼女は母親と国外に逃亡し、父親は行方不明でおそらく死亡しているのだろう……。やがて本題に戻った二人は、フレディとアナトリーに『山のホテル』でオフレコの会談をさせることで同意する。

フレディはフローレンスの持ちかけた交渉には気が進まなかった。それよりも、試合中の退場を理由にウォルターがエージェント手数料のアップを要求したことの方が大事だと言いだす。フレディは、フローレンスが相手側、特にアナトリーと親密になってきていることを罵倒し、二人は激しい言い争いをする。フレディの悪意に疲れ果てたフローレンスは、ふと気付くと、これまでの人生のあらゆる局面に思いを巡らせていた。

それでも、フローレンスは状況を立て直すことができるのではという望みを捨てず、山での会談に出かける。会談にはアナトリーは来たが、フレディの姿はない。最初はかみ合わなかったフローレンスとアナトリーの会話は、徐々に親しみを帯びてくる。明らかに恋に落ちた二人……。その時フレディが、最悪のタイミングで現れる。二人の様子を目の当たりにして怒ったフレディは、試合には戻るがもう友達でも何でもないとフローレンスに言ってのける。

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試合再開後の数日間の結果はアナトリーが5勝1敗、アナトリーの勝利は事実上確定する。6勝した方がタイトルを獲得するのだ。失意のフレディは、最終戦の前に、フローレンスと最後の言い争いをする。翌日、両プレイヤーが試合に登場するという時になって、フレディは試合を棄権する。だが、それよりも大騒ぎになったのは、新世界チャンピオンとなったアナトリーが姿を消し、西側への政治亡命を求めているという驚きのニュースだった。

アナトリーは、フローレンスを連れて亡命のために英国領事館に現れる。妻子をモスクワに残していくことを認めさせようとする領事館職員とのやり取りに、アナトリーが奮闘している間、フローレンスは、ほとんど何も知らない男と人生をすっかり変えるような行動に出た状況を理解しようともがく。そこに突然、アナトリーの行動をかぎつけたマスコミが現れる。ウォルターが情報を漏らしたのは明らかだ。アナトリーは、祖国を捨てるのではないと否定する。

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*『CHESS IN CNCERT』スコア参照

第一幕終了、続く

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なんとなく「第一幕」のニュアンスは掴めたでしょうか?

結局、登場人物は各人『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』を通して、自分勝手なことをしているのです。

フレディは「メディア」と喧嘩し、『CHESS・世界チャンピョン』にも関らず、試合放棄。おまけに大事な恋人フローレンスをアナトリーに奪われてしまいます。

フローレンスは、そんな身勝手なフレディに愛想が尽き、敵国ソ連のCHESS・チャンピョン、アナトリーと恋に落ち、アナトリーがソビエト(当時社会主義国)からイギリス(自由主義国)に亡命するのを手助けします。つまりフレディを捨て、新恋人アナトリーと「新しい生活」を始める決意をしたのです。

アメリカ陣営のウォルターは「グローバル・テレビジョン」の司会者でもあり、マーチャンダイザーでもあります。この『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』をアメリカ「グローバル・テレビジョン」の「独占放送」にし、視聴率を上げ、その裏では、『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』を観に来た人たちに、CHESSに絡んだグッズを大量に売りつけようともくろみます。

他方、敵国ソビエトのチャンピョン、アナトリーのセコンドでKGBのモロコフは、この『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』を利用して自分の「立身出世」のみ考えています。しかし、アメリカの世界チャンピョン、フレディに勝利したアナトリーがまさかの「亡命」に走り、自分の身の危険を感じますが、今回のアナトリーの亡命を全部、部下のせいにし、難を乗り越えます。

そしてアナトリー。彼は純粋に『CHESS』をしに、メラノに来たはずですが、前述した人達の勝手な振る舞いに巻き込まれ、結局は祖国に居る妻子を捨て、まさかの敵国アメリカのフローレンスと恋に落ち「亡命」してしまいます。

一番冷静でいるはずのアービターは「自分こそルール、自分こそ正義」と言ってのけ、この『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』は自分がいるからこそ成り立っているのだと誇らしげに自慢します。畏怖堂々とした態度とはまさに彼のことを言うのでしょう。

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第一幕では、各人が何をしに、メラノにやってきて、結果どうなったかが描かれています。

この辺りを押えておくだけで、『CHESS』の第一幕の理解は十分だと思います。

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なお、公演日時とチケット購入方法は下記の通り。

公演日時
10月2日19:00
10月3日19:00
10月4日13:00 (公演後に舞台裏トークあり)、19:00
10月5日13:00、19:00

前売り券: ¥4,000

当日券: ¥4,500

学生: ¥2,500

劇場:シアターサンモール新宿

東京都新宿区新宿1−19−10サンモールクレストB1 Click here

*有料で日本語音声ガイドあり。予約時にお申込み下さい。(数量限定)

チケット購入先:www.tokyoplayers.com のサイトより右上にある”DONATE”というボタンの下を押し「日本の国旗」を出します。

「BUY TICKETS」をクリックして頂ければ購入可能です。

*わからないことは下記まで!*

TIP Phone: 090-6009-4171

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