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『マンマ・ミーア！ヒア・ウィー・ゴー』。ドナが亡くなっていたのはあまりにもショックだったファンが多いようだ。何しろ、PRクリップでは、ドナ（メリル・ストリープ）は前作同様に活躍しているように作られていたので、本作を観て「えっーーー！」と驚いたのも当然だろう。しかもドナが亡くなったのに、ドナのお母さんが突然出てきたのだから、何が何だかわからなくなった方も多いだろう。それもメリル・ストリープより3歳年上のシェールが、ドナのお母さん役。まさに「マンマ・ミーア！」（オーマイゴット！なんてこった）だ。

筆者がシェールを意識しだしたのは1989年、映画『Hard To Say I’m Sorry ～素直になれなくて』のエンディングで使われた「After All (Love Theme From Chances Are)」。この曲は元シカゴのピーター・セテラとのデュエットで、ビルボードでは6位のスマッシュ・ヒットを記録した。なぜ意識したのかと言うと、ピーター・セテラはこの2年前の1987年、ABBAのアグネタのソロ・アルバム『アイ・スタンド・アローン』をプロデュースしており、その中の一曲「さよならを言えなくて」はアグネタとピーター・セテラとのデュエット曲で、アメリカでも日本でもそこそこヒットしたからだ。ピーター・セテラが女性とデュエットすると、ピーターの甘い歌声で、多少、張りの強い女性でも、やんわりしたムードになるのかもしれない。

シェールは歌手であるが、女優としても活躍しており、1983年の『シルクウッド』でゴールデングローブ賞の助演女優賞を、1984年の『マスク』でカンヌ国際映画祭の女優賞を、1987年の『月の輝く夜に』でアカデミー賞の主演女優賞を受賞している。

ではシェール自身は本当は歌手に重きを置いているのか？それとも女優が中心なのか？と問われると、どうやら「音楽」が中心だと答えている。何しろ彼女の「芸歴」は長い。1963年にデビューし、映画ファンにも知られるようになったのは女優活動も活発に行うようになった1980年代後半からであるからだ。

本作『マンマ・ミーア！ヒア・ウィー・ゴー』では”金持ち”で、ドナともソフィとも仲が悪いおばあちゃん、ルビー・シェリダンを演じたが、上映後は、即、ABBAの曲のカバーアルバム『ダンシング・クイーン』をリリースしている。

劇中では、謎のホテルの支配人、フェルナンド・シエンフエゴス（アンディ・ガルシア）とまさかの再会シーンが話題を呼んだ。かなり無理な設定だったもしれないが、本作の中では一番、観客の笑いが多かった場面だ。

映画はやはり面白い。『マンマ・ミーア！ヒア・ウィー・ゴー』も視点を変えてみれば、かなり面白い。2度、3度と言わず、何度も観に行って、『マンマ・ミーア！ヒア・ウィー・ゴー』が一日でも長くロードショーが行なわれるように皆で応援しましょう！！

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