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劇団四季 マンマ・ミーア! WATERLOO RADIO

「ABBA ODYSSEY」Greyfriars Hall

『ABBA ODYSSEY――ザ・ライブ・コンサート』

グレイフライアーズ・ホール(V508)公演レビュー

★★★★(4つ星)

公演情報

会場
グレイフライアーズ・ホール(※)

カンパニー
ABBA ODYSSEY

音響
トリスタン・シム

出演者
フランシス・マーフィー(アグネタ役)
カテリーナ・サイエグ=タウンゼント(フリーダ役)
スチュワート・ケアンズ(ベニー役)
アリ・コクラン(ビョルン役)

上演時間
150分

「マイ、マイ、どうしてあなたに抗えるの?」

定評あるスコットランドのABBAトリビュート・バンドは、13年以上にわたり、その公演へ熱狂的なファンを集め続けてきた。今回の最新公演も完売となり、例外ではなかった。

会場は、美しく改修された19世紀のゴシック様式建築、グレイフライアーズ・ホール。現在はヴァージン・ホテルズ・エディンバラの一部となっている。バンドは2つの巨大なアーチ形の窓を背にして演奏し、その頭上には、アーサー・マム=マニが手がけた直径3メートルの巨大なバイオプラスチック製シャンデリアが吊り下げられている。これは、大規模な3Dプリント彫刻の初期を代表する作品の一つだ。

会場は座って快適に鑑賞でき、音響もすばらしい。しかし、これは決して静かに座ったまま楽しむだけのコンサートではない。

バンドは2時間、休憩を挟みながら、人気のABBAナンバーを中心に、あまり知られていない楽曲もいくつか交えた豪華なステージを繰り広げる。観客が期待しているとおりの、喜びとエネルギーに満ちた祝祭的な公演だ。

ABBAの言葉を借りれば、「音楽をありがとう」。そして、この公演を見るかぎり、「踊る口実を与えてくれてありがとう」とも言いたくなる。

フランのアグネタと、キャットのフリーダは、公演中に何度も衣装を替える。その一着一着が、1970年代から1980年代にかけてのABBAの華麗で大胆な美学を忠実に再現している。

膝丈まである白い厚底ブーツ、赤と青のスパンコールをちりばめたフレアのジャンプスーツ、黒く輝くドルマンスリーブのケープ、きらめくミニドレス、そして、それらにふさわしい派手な帽子や髪飾りが登場する。

アリのビョルンとスチュワートのベニーも、巨大な肩パッド、ラインストーンをあしらったジャケット、縞模様のベストを着こなし、実に説得力のある姿を見せる。

衣装に加えられたスコットランドらしい装飾も、地元色を感じさせる心地よいアクセントとなっている。スコットランド王室旗の「ライオン・ランパント」や「セント・アンドリュー・クロス」のワッペンは、このバンドのルーツと、何十年にもわたって観客を楽しませてきた歩みの両方を思い起こさせる。フランが身につけている核軍縮運動「CND」のバッジも、小さいながら意味深いディテールだ。

当然ながら、客席にはある特定の層が目立つ。歌詞の一語一句から衣装替えのタイミングまで、すべてを知り尽くした熱心なABBAファンたちだ。

一方で、この公演はABBAの全盛期を直接知らない、次世代のリスナーにも楽しめるようにつくられている。この日、最年少の観客は、わずか生後3週間だった。ABBAの魅力が今なお世代を超えて受け継がれていることを、改めて示す光景である。

「ウォータールー」のイントロが午後の公演に勢いをつけ、続いて「スーパー・トゥルーパー」「チキチータ」「きらめきの序曲」「S.O.S.」など、おなじみの楽曲が次々と披露される。

最初から観客の参加が促される。歌を一緒に歌い、練習を重ねたかのようなダンスを再現し、通路で踊り、あるいは両手を空中で振る。すべてが、会場全体で分かち合う喜びの一部だ。

「ダンシング・クイーン」が始まる頃には、出演者と観客との境界は、もはや完全に曖昧になっている。

曲と曲の間のトークは親しみやすく、観客を引き込みながらも、楽しいほど聞き慣れたものだ。

「もし私が冗談を言っても、きっと前にも聞いたことがあるでしょう……」。

これは「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック」の歌詞の一節だが、この公演の非公式な注意書きとしても使えそうだ。

しかし、まさにその「親しみ深さ」こそが重要なのである。観客は愛する歌を聴くために来ており、出演者たちも、新しさではなく、知っているものと再会することに喜びがあると理解している。次の歌詞、次の衣装替え、そして次の抗いがたいサビを待ち構える――その興奮を、会場全体で共有するのだ。

歌、ハーモニー、ダンスはいずれも見事に磨き上げられている。力強い歌声が自信に満ちてホール全体に響き渡る。

公演の構成も、テンポの速い曲を駆け抜けるような楽しさと、より切ない場面とのバランスが取れている。なかでも特筆すべきなのが「ザ・ウィナー」である。

この曲の持つ感情的な重みが、公演全体の陽気さに対する心地よい対比となり、ステージを単なる懐古趣味以上のものへと高めている。

一見完璧に整えられたポップ・ミュージックの構造の中に、哀愁を忍ばせること。それこそが、昔から変わらないABBAの才能だった。このトリビュート公演は、その明るさと悲しさの緊張関係を効果的に捉えている。

衣装替えの時間には、思いがけないスコットランドの歌が2曲披露され、観客から温かく迎えられる。

そのうち後半の曲では、大勢の観客が自然に列をつくり、フロアを一周するコンガ・ダンスを始める。会場全体が、抑えきれない喜びに包まれる瞬間だ。

観客の参加によってパーティーの雰囲気はいっそう盛り上がる。そして、誘いが抗いがたいほど魅力的なら、着席形式のコンサート会場でさえダンスフロアに変わることを証明している。

この公演は、ABBAを新たに解釈し直そうとはしていない。そもそも、その必要もない。

このステージが成し遂げているのは、愛情のこもった正確な再現だ。歌声、衣装、ハーモニー、振付、そして温かなユーモア――そのすべてが、ABBAの楽曲の魅力を伝えるために使われている。

その結果、熟練した技術によって届けられる懐かしさに満ちた一夜が生まれ、それと同時に、驚くほど生き生きとした現在進行形のステージとなっている。

フィナーレを迎える頃には、もはや問いは「マンマ・ミーア、どうしてあなたに抗えるの?」ではない。

答えは明らかだ。

抗うことなどできない――そして、このバンドと一緒なら、抗いたいとも思わないだろう。

公演日程

  • 8月8日、28日:午後19時30分開演
  • 8月16日、30日:午後14時30分開演

チケット料金: 26.50ポンド(割引料金あり)

『エディンバラ・フェスティバル・フリンジ』公式プログラム:202ページ

※グレイフライアーズ・ホールとは?

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グレイフライアーズ・ホール(Greyfriars Hall)は、スコットランド・エディンバラ旧市街にある歴史的な旧教会を改修したイベントホールです。現在は「ヴァージン・ホテルズ・エディンバラ」の一部として利用されています。

教会時代の石造りの壁、大きなアーチ形の窓、高いヴォールト天井などを残しながら、現代的な照明や音響設備を加えた、歴史とモダンデザインが融合する空間です。ヴァージン・ホテルズ公式会場案内

最大の特徴――巨大な3Dプリント製シャンデリア

ホールの中央には、建築家・デザイナーのアーサー・マム=マニが制作した、幅約3メートルのシャンデリア「Briar」が吊り下げられています。

ゴシック建築の窓飾りから着想を得た作品で、バイオプラスチックを使って3Dプリントされた、世界でも初期の大規模な3Dプリント彫刻の一つです。設計者アーサー・マム=マニによる作品紹介

現在の用途

常設の劇場ではなく、催しに合わせて座席や舞台を配置する多目的ホールです。

  • コンサートや演劇
  • エディンバラ・フェスティバル・フリンジの公演
  • 結婚式や披露宴
  • 晩餐会や企業イベント
  • 会議や講演会

2026年の『ABBA ODYSSEY――ザ・ライブ・コンサート』では、2つの巨大なアーチ窓を背景に舞台が設けられ、その上に3Dプリント製シャンデリアが輝くという、この会場ならではの配置で公演が行なわれました。

石造りの壁と高い天井による響きの良さに加え、着席形式で快適に鑑賞できます。一方、ABBA公演では観客が通路で踊ったり、フロアでコンガの列をつくったりするなど、歴史的なホール全体がダンス会場のような熱気に包まれました。

なお、近くにある有名な教会「グレイフライアーズ・カーク」とは別の施設です。グレイフライアーズ・ホールは、ヴァージン・ホテルズに組み込まれたイベント会場です。

https://edinburghguide.com/festival/2026/abba-odyssey-the-live-concert-greyfriars-hall-v508-review-22053


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