チャンス・ザ・ラッパーからニック・ケイヴ、ビヨルン・ウルヴァースまで。テック業界の連中のうたい文句を、すっかり信じ込むミュージシャンがますます増えているように感じられる。
AI音楽は一時期、奇妙ではあるものの、ほとんど害のない領域に存在していた。ビリー・アイリッシュの曲を猫が歌うバージョンを生み出したり、『ファミリー・ガイ』のピーター・グリフィンがポップ界の歌姫だったら、という別世界を大胆に想像したりしていたのだ。ところが今や、チャートに入り込み、私たちのプレイリストにひそかに紛れ込み、人気の大物アーティストたちの「創作過程」にまで顔を出すようになった。
AIは、かつてのオートチューン、その前のエレキギターと同じく、音楽業界を揺さぶる最新の技術革新にすぎない、と主張する人もいる。しかし、新しい音楽的手法を何でも疑う、しばしば批判の対象となる伝統主義的な姿勢と、他のアーティストの著作物を盗用し、音楽への人間の関与を任意のものにするために、毎秒何ガロンもの淡水を浪費する「ツール」に対して抱く、極めてもっともな存亡への不安とでは、違いがあると私は思う。
私たちの多くが芸術の未来、さらには人類全体の未来を案じる今、AIは音楽界で最も意見の分かれる話題の一つであり続けている。この技術がもたらす文化的、経済的、環境的リスクを、どのアーティストがすでに顧みなくなっているのか気になるなら、読み進めてほしい。今後も支持者が陰から姿を現すたびに、このリストを更新していく。
ビヨルン・ウルヴァース(ABBA)
Google翻訳さえ手元にない時代に、母語ではない言語で永遠に愛されるポップソングの数々を書いた人物が、生成AIを積極的に宣伝するようになる。その姿を見るのは、まったくもって悲劇的だ。
ビヨルンは昨年、ミュージカルの執筆を手伝わせるためにAIを使ったと語った。ただし、曲を丸ごと書かせることについては「ひどい出来」だと指摘し、普段は創作に行き詰まった際のアイデア出しに頼っていると説明している。
ABBAがホログラムとして復活した時点で、これも避けられない次の一歩だったのかもしれない。
ボーイ・ジョージ
ボーイ・ジョージは、最近発表したイスラエル支持のレゲエ曲を「書く」ためにAIを使ったと、誇らしげに語った。
これほど多くの失点を一度に自ら重ねる姿は、見ていてつらい。
チャンス・ザ・ラッパー
元マネージャーと法廷で争ったり、改名を検討したりしていないとき、チャンス・ザ・ラッパーはAIスタートアップの宣伝をしている。
2月には、AI企業コアウィーブの広告の顔となって話題を呼んだ。CMの中で彼は、「“anything”は“AI”なしにはつづれない」と語っている。
その一節をひねり出すのに、何ガロンの水が使われたのだろう。
チャーリー・プース
3月、チャーリー・プースは、AIを活用した音楽プラットフォーム「Moises」の最高音楽責任者に就任した。
Moisesは比較的「倫理的」なAIプラットフォームの一つなので、彼をこのリストのほかの面々と一緒くたにするのは、やや不公平な気もする。生成AIではなく、ミュージシャンの代わりになるものでもなく、盗用された著作物で学習しているわけでもないからだ。
むしろプースの説明によれば、このソフトは「ボーカルを分離して歌唱技術を研究したり、リアルタイムでアレンジを試したりする」際に役立つという。
それでも、引き続き彼の動向には目を光らせておく。
ダニエル・ベディングフィールド
2024年、ダニエル・ベディングフィールドは、全曲がAI生成によるアルバムを発表した。今初めてその話を聞いたというなら、どれほどひどい音なのか、想像がつくだろう。
彼がAIを支持する理由は、これまでに聞いた中でもひときわ奇妙だ。『ガーディアン』紙に対し、彼は「6歳の子どもに傑作を作ってほしい」と語っている。
AIの危険性も十分に承知しており、こう付け加えた。
「今、僕は1万人のミュージシャンのことを思って、心の中で悲しんでいる。これから10年の間に訪れる苦痛、うつ、ホームレス生活。そういうことが起こると思う」
しかし、その不気味な未来像を思い描いても、彼の立場は変わらない。結論はこうだ。
「適応するか、死ぬかだ」。
ディプロ
ディプロはミュージシャンたちに、AIに「適応する」か、さもなければ「諦めて、みんながWaymoを使うようになるまでUberの運転手になれ」と勧めている。
彼のAI生成曲が文化にほんのわずかでも影響を与えた例を、私たちはまだ見ていない。もっとも、最近の彼の音楽全般についても同じことが言えるのだが。自分自身の助言を、もう一度考えてみたほうがいいのかもしれない。
ドクター・ドレー
ドクター・ドレーはAIを「創造性のための新しいツール」と呼び、懐疑的なアーティストたちを「新しいことを学ぶのを恐れている」と批判した。
ドクター・ドレー、ミュージシャンが恐れているのは、仕事を失うこと、自分の作品が盗まれて別の用途に使い回されること、そして愛する芸術がコンピューターのアルゴリズムになってしまうことなのだ。
まあ、考え方は人それぞれだが。
グライムス
イーロン・マスクの元パートナーがこのリストに入っていて、驚く人がいるだろうか。
とはいえ、彼女をここに挙げるにあたっては、少し補足が必要だ。グライムスはこの技術を受け入れ、クリエイターたちが彼女の声を自作のAI音楽に使うことを自由に認めてきた一方、最近はその危険性についても積極的に発言し、全面的にAIで生成された音楽には基本的に反対だと述べている。
発売予定のアルバム『PSYOPERA』では、AIを創作のミューズに掲げているものの、作曲や制作の過程で実際にAIを使ったわけではないと明言している。
さらに、アダム・フリードランドとの新たなインタビューでは、どのような形であれ、AIアートが長く定着するとは思っていないと説明した。
ずいぶんと認知的不協和が起きているようだ。
ニック・ケイヴ
音楽業界にAIが入り込むことを「信じられないほど不穏だ」と呼び、ChatGPTには「失せろ、作詞作曲に手を出すな」とまで言っていたニック・ケイヴ。しかし2025年、AI生成のミュージックビデオを公開したくなると、都合よく態度を変えた。
確かに、データセンターは現在、貧困地域で干ばつを引き起こしており、クリエイティブ業界では失業が広がっている。
でもさ、昔のエルヴィスの写真が動くのって、かっこよくない?
ピート・タウンゼント
タウンゼントは昨年、保管している推定450曲の未完成作品を仕上げるのにAIがどう役立つか、「かなり興味がある」と語った。
『レイト・ショー』の司会者スティーヴン・コルベアとの対談で、曲の一部をSuno「か何かのAI音楽マシン」に入力すれば、「ヒット曲が生まれるかもしれない」との考えを示した。
ただし、まだ成果は見えてこない。AIが生成した結果は、期待外れだったのかもしれない。
テディ・スウィムズ
今年初め、テディ・スウィムズは、スタジオ作業の時間を節約したり、自分の曲を別のジャンルに作り替えてみたりするために、共同制作者たちとともにAIという「素晴らしいツール」を取り入れていると語った。
一方で、その暗い側面も目にしている。
彼は、自分の作風をまねたAI生成曲を見つけ、「本当によくできている」と感じたため、「手を加えて、ヴァースを書き足した」と振り返った。
その曲は自分の声と作曲スタイルをもとに作られていたので、使ってもよいと思っていた。しかし、制作者に権利関係を確認し、許可を得なければならないと知って、落胆したという。
「それで僕は、『いや、それってふざけた話じゃないか』と思ったんだ」と彼は語った。
ティンバランド
昨年、ティンバランドは、AI生成アーティスト「TaTa Taktumi」を立ち上げた。学習に使われたのは、複数の著作権訴訟の渦中にある音楽プラットフォーム、Sunoだ。
遠目には、技術でアーティストを生み出すことは、不気味なほど未来的に見える。
だが実態はおそらく、落ち目の人物がコンピューターに時代遅れの指示文を打ち込み、空想の友達を作ろうとしている、というほうが近い。
トゥー・シェル
謎めいたエレクトロニック・デュオ、トゥー・シェルは、新作『Infinite Now』を含め、「もうかなり前から」AIを使っていると最近認めた。
どんな音なのか気になるなら、本誌のレビューを読んでほしい。『Paste』のライター、アンディ・スタイナーは、次のように結論づけている。
「理屈の上では、巧妙な試みだ。音楽が十分に強烈なら、人々は本当にAIの使用を気にするのか? しかし、『Infinite Now』はあまりにも平板で活気がなく、あまりにも思考が浅く、生気に欠けているため、その試みは最初から死んでいる。
トゥー・シェルの最大の間違いは、AIを使ったことではない。AIを使って、これほど迫力がなく、独創性に乏しく、退屈なものを作ったことだ」。
タイガ
今年初め、批評家から酷評されたアルバム『$TARFACE』を発表したタイガ。本誌『Paste』では、これを「創造性の面でも道徳の面でも破綻した作品」と評した。その後、ネット上の探偵たちが、制作にAIを使ったのではないかと指摘し始めた。
彼は後に使用を認めたものの、『Vibe』誌には、それを明かすことは「マジシャンが自分の手品の仕掛けを説明するようなもの」だとも語った。
さらに、「いいものをどうやって作ったか、なんでみんな、いちいち説明しすぎるんだ?」とも問いかけた。
もっともな意見かもしれない。だが、それにはまず、そのアルバムが実際にいい作品である必要があるのではないか?
ウィル・アイ・アム
元ブラック・アイド・ピーズのメンバーであるウィル・アイ・アムは、以前からAIを支持している。複数のAIプラットフォームに投資し、昨年はAIの司会者まで備えた独自のAIラジオ局を開設した。
新しい技術が好きで、3008年に生きたいと願っている彼なら、驚くことではない。
もっとも、この調子では、人類がその年を迎えることはないだろう。



