ロンドンでファンを魅了し続けてきた『ABBA Voyage』が3周年を迎え、大規模なセットリストの刷新が行われた。今回新たに4曲が追加され、アグネタ、ビヨルン、ベニー、フリーダの4人は「ちょっとしたサプライズを加えた」と語っている。
ABBA Voyageは、ユーロビジョンで優勝したスウェーデンのスーパースター・ABBAを祝福するショーで、リアルなABBAター（“アバターズ”＝Abbatars）を使用した画期的な公演だ。開幕以来、何百万人ものファンがこの公演を訪れてきた。2025年5月の3周年を機に、専用スタジアムはいったん閉鎖され、ショーの刷新準備が行なわれていた。
これまでの「恋のウォータールー」や「マンマ・ミーア」などの名曲に加え、今回新たに追加されたのは以下の4曲：
- The Name of the Game（きらめきの序曲）
- Super Trouper（スーパー・トゥルーパー）
- Money, Money, Money（マネー、マネー、マネー）
- Take a Chance on Me（テイク・ア・チャンス）
ABBAのメンバー4人は、以下のように共同声明を発表した：
「最初に開幕したとき、まさか3年後もロンドンで上演しているとは想像もしていませんでした。
たくさんの皆さんに来ていただき、とても感謝しています。
長期間にわたりこのコンサートを継続できたのは、素晴らしい観客の皆さんのおかげです。
スウェーデンではこう言います… Vilken resa!（なんて旅！）
感謝の気持ちを込めて、5月27日からショーに“ちょっとした追加”をしました。
楽しんでいただければ幸いです！」。
アンニ＝フリード、ファンを魅了
イベントの場で、フリーダはベニーと共に登壇し、ファンに向かって語った。
「皆さんに言えることは一つ、心から愛しています。
長年の応援、本当にありがとう。
もう50年が経ったなんて信じられない。
私は今年80歳になります！
ありがとう、愛してます」。
会場はこの発言に大歓声で応えた。ファンは新たに加わった名曲「きらめきの序曲」「スーパー・トゥルーパー」「マネー、マネー、マネー」「テイク・ア・チャンス」を堪能した。
＊フリーダとベニーが出席していた（画像：ジェームズ・ドリュー・ターナー）」。
アフターパーティー：ベニーがピアノを演奏
アフターパーティーでは、ベニーがVIP席でピアノ演奏を披露。そこにエルヴィス・コステロやガイ・ガーヴェイも加わり、ガイがボーカルを担当。白い装いのフリーダも見守っていた。
エルヴィスが一時的にマイクをフリーダに手渡すと、彼女とベニーが一緒に数小節だけ歌い、会場は感動の空気に包まれた。演奏された楽曲には「ノウイング・ミー、ノウイング・ユー」（歌：エルヴィス）、「ザ・ウィナー」（歌：ガイ）などが含まれた。
会場にはマイリーン・クラスやデニース・ヴァン・オーテンといったセレブも姿を見せ、ABBAのメンバーがサプライズで参加したパーティーに驚きを隠せなかった。
＊ファンは『ABBA Voyage』で新たに追加された4曲を楽しむことができる（画像：ジェームズ・ドリュー・ターナー）。
ファン大興奮の新演出
この晩、新たな楽曲とビジュアルが観客を熱狂させ、とくに「スーパー・トゥルーパー」は即座に大ヒット。「きらめきの序曲」のパフォーマンスでは赤いレーザー演出が施され、観客を魅了した。
1974年に「恋のウォータールー」でユーロビジョンを制し世界的スターとなったABBAは、50年を超えて今なお世界中のファンに愛されている。最先端技術によって生み出された“ABBA-tars”が実現するこのショーでは、ABBAの若き姿が10人編成の生バンドと共に往年の名曲を披露している。
2022年からロンドンのクイーン・エリザベス・オリンピック・パークで開催されているこの公演は、最初の2年間で14億ポンドの売上を生み出し、7億7500万ポンドの経済効果（生産コスト等を除く）をイギリス経済にもたらしたと報告されている。
会場のアリーナは3,000席あり、移設可能な構造で設計されているため、今後別の都市への移動も視野に入っている。
＊フリーダはファンに対し、「このメガバンドがこれほどまでに支持されているなんて信じられない」と語った（画像：Mirror）。
バンドの歩みと『マンマ・ミーア！』の成功
1974年4月6日、ユーロビジョンで「恋のウォータールー」で優勝して以降、「ギミー！ギミー！ギミー！」「ダンシング・クイーン」「ザ・ウィナー」「マンマ・ミーア」など数々の大ヒット曲を生み出したABBAは、1982年に活動停止。
しかし2021年には実に40年ぶりとなる9枚目のスタジオアルバム『Voyage』を発表し、UKアルバムチャートで首位を獲得した。
また、彼らの楽曲をベースとしたミュージカル『マンマ・ミーア！』は1999年にロンドンで初演され世界的に大成功。2008年には映画版、2018年には続編も公開された。
＊このコンサートは14億ポンド以上の収益を生み出している（画像：ジェームズ・ドリュー・ターナー）。
音の魔術師マイケル・B・トレットウ氏に別れ
再始動の祝賀ムードのなか、先週、悲しい知らせも届いた。ABBAの伝説的サウンドエンジニア、マイケル・B・トレトウ氏が80歳で逝去した。
1970年にビヨルンとベニーによってサウンドエンジニアに抜擢されて以来、2021年の『Voyage』を除く全アルバムの音作りに貢献した彼について、メンバーたちは以下のように追悼した。
- ビヨルン：「彼が音を形作った功績は計り知れない」。
- ベニー：「彼は私たち4人にとって、何より大切な存在だった。彼が音楽を“時代を超えたもの”にしてくれた。心から寂しい」。
- フリーダ：「あなたほどABBAサウンドにふさわしい人はいない。決して忘れません」。
- アグネタ：「つい最近、彼に会えたのが嬉しかった。病気だったけれど、笑顔とユーモアは変わらなかった。あなたの優しい言葉は今も心に残っています。安らかに、ミッケ」。
チケット情報
『ABBA Voyage』は現在2026年1月までの公演を予約受付中。
チケット情報・最良の空席状況は公式サイト www.abbavoyage.com へ。
https://www.mirror.co.uk/3am/celebrity-news/breaking-abba-voyage-relaunches-huge-35295546
