かつてビートルズを迎え入れ、1970年代初頭にはABBAの事実上の誕生の地となった、ストックホルム拠点のレコーディング・スタジオバグパイプ・スタジオに、明るい未来が訪れようとしています。
*写真クレジット:ベイリー・ウォルシュ
1969年に設立されたこのスタジオの行方は、ここ数年にわたり宙に浮いた状態が続いていました。
2019年、不動産開発業者が、バグパイプ・スタジオが建っていた土地に「ギミー!ギミー!ギミー!」とばかりに目を付け、7階建ての集合住宅に建て替える計画を打ち出しました。
スタジオはS.O.Sを発信し、そして今、ストックホルム市がその声に応えたのです。
市当局は、
「建物が有する歴史的・文化的価値、そしてアナログ録音において世界でも最高水準と評価される技術的卓越性」
を理由に、計画の中止を決定しました。
これは、バグパイプ・スタジオが発表したプレスリリースの中で明らかにされています。
この決定は12月20日になされましたが、公に発表されたのはつい最近のことでした。
バグパイプは自らの本拠地を「アビイ・ロードの姉妹スタジオ」と呼んでいます。
このスタジオは、2012年にユニバーサル・ミュージック・グループがEMIミュージックを買収した際に同社の傘下となった、ロンドンの名高いアビイ・ロード・スタジオを、音響面で忠実に再現したコピーとして建設されました。
バグパイプは、ABBAが初期の録音を行なった場所であり、
ここで制作を行ったアーティストには、ロクセット、ワン・ダイレクション、レディー・ガガ、スウェディッシュ・ハウス・マフィア、ワイクリフ・ジョン、ビヨンセなど、ほんの一部を挙げるだけでも錚々たる名前が並びます。
バグパイプによると、ビルボード・チャートで1位を獲得した楽曲が5曲、このスタジオから生み出されています。
またスタジオの公式ウェブサイトによれば、この建物はもともと1939年に「カザ(Kaza)」という460席の映画館として建設され、1969年にスタジオへと改装されたものだといいます。
「私たちは、スウェーデン文化の発展に貢献し続けることができ、
それだけでなく、真の音楽国家としてのスウェーデンの国際的イメージを、
今後も強化し続けることができます」。
— ミカエル・ゴードン・ソルフォシュ
(バグパイプ・スタジオ)
バグパイプ・スタジオ取締役会会長のミカエル・ゴードン・ソルフォシュは、次のように述べています。
「ストックホルム市の意思決定者たちが、
私たちが使用しているこの施設の価値、そして世界中で提供している
数千件に及ぶ雇用機会の重要性を理解してくれたことに対し、
私たちは感謝と喜びを、いくら表しても足りません。それは、単なる文化的価値にとどまりません。
この壁の中には、独自の録音技術と歴史が息づいています。
この場所がなければ、私たちは今なお日々、
世界的ヒット曲を生み出し続けることはできなかったでしょう。今、私たちはスウェーデン文化の発展に貢献し続けることができ、
さらに、真の音楽国家としてのスウェーデンの国際的評価を、
いっそう高めていくことが可能になりました」。
2017年、アビイ・ロード・スタジオは、中国を拠点とする音楽ストリーミング・サービス開発会社テンセント・ミュージックと、大規模なライセンス契約を締結しました。
当時、両社は最先端の録音・マスタリング施設となる
「アビイ・ロード・スタジオ・チャイナ」を設計・建設・開発する計画も発表しましたが、
その後、この開発に関する新たな発表は行なわれていません。
また昨年、アビイ・ロード・スタジオは、
遠隔制作および音楽コラボレーション技術を手がけるスタートアップ企業
「オーディオムーバーズ(Audiomovers)」を買収しています。
最後に、バグパイプ・スタジオは次のように結んでいます。
「これまで長年にわたり、私たちを支えてくださったすべての皆さまに、心からの感謝をお伝えします」。
Stockholm municipality saves ‘legendary’ ABBA recording studio, Baggpipe, from demolition



