「ビヨルンと私は会い、どんなものにするか話し合った。それは輝き、きらめくものでなければならなかった」――レッド・ツェッペリンやエリック・クラプトンにも使用されたスウェーデンのルシアーが、ABBAの象徴的な“スター・ギター”を生み出した経緯
*画像クレジット:Tassilo Leher/United Archives/Getty Images経由
レッド・ツェッペリンやエリック・クラプトンにも機材を提供したスウェーデンのギター職人、ヨーラン・マルムベリ。彼こそが、1974年のユーロビジョンでビヨルン・ウルヴァースが手にした、究極のグラムロック・ギターの製作者である。
スウェーデンのポップ・アイコンであるABBAが、1974年にイギリス・ブライトンで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストに出場し、「恋のウォータールー」を披露した際、ギタリストのビヨルン・ウルヴァースは、銀色に輝く13の突起を持つ星型ギターを手にしていた。
この楽器は、きらびやかなサテンの衣装や70年代らしい厚底ブーツと相まって、当時の美学を象徴する強烈なビジュアル・インパクトを生み出した。ABBAはこのパフォーマンスで優勝し、その後すぐにポップ界の頂点へと駆け上がっていく。ビヨルンはこのギターを、テレビ出演や1974年後半の初のヨーロッパ・ツアーでも使用し、その後は引退させた。
このユニークな形状のギターの着想がどこから来たのかは明確ではないが、当時チャートで成功を収めていたイギリスのグラムロック・バンド、グリッター・バンドに影響を受けた可能性があると考えられている。
彼らは「グッバイ・マイ・ラヴ」や「ザ・ティアーズ・アイ・クライド」といったヒット曲を放ち、ギタリストのジェリー・シェファードも星型に近い形のギターを使用していた(ただしこちらはより伝統的な五角形の星だった)。グリッター・バンドのベーシスト兼ボーカリストであるジョン・スプリンゲートは、ビヨルンがそこから影響を受けた可能性を示唆している。
「グリッター・バンドはスウェーデンをツアーしていて、あるバンドが私たちの演奏を観に来たんだ。彼らは『あなたたちの音楽がとても好きだ』と言っていた。そして3週間後、ユーロビジョンで彼らを見たら、私たちと同じような衣装で、星型ギターを持っていた。それがABBAだったんだ!」とスプリンゲートは2021年に語っている。
いずれにせよ、自分たちのイメージに完璧に合う楽器を作るというビヨルンの判断は非常に賢明だった。そして彼が選んだルシアーもまた、見事な選択だった。
長年にわたり、このスター・ギターはスウェーデンのギターメーカー、ハグストロム製だと誤って伝えられてきた(ビヨルンは同社のギターをよく使用していたため)。しかし実際には、この一点物のギターはヨーラン・マルムベリによって製作された。
マルムベリはギターとスポーツカーを愛する人物で、1964年にストックホルムでギター製作を開始した。その後、世界的に有名なアーティストたちが、スウェーデンでのツアーの際に彼のギターやスピーカーを使用するようになった。1969年にはレッド・ツェッペリンが彼の4×12キャビネットを使用し、エリック・クラプトンも彼に製作を依頼している。
1974年のユーロビジョンに向けて、マルムベリはビヨルンから「とにかく目を引くギター」を作るよう依頼された。
「ビヨルンと私は会い、どんなものにするか話し合った」とマルムベリは語る。
「それは輝き、きらめくものでなければならなかった。そこで星型が提案された。いくつかのデザイン案を描いて見せたところ、そのうちのひとつをビヨルンが選んだ。でもユーロビジョンまで残り6週間しかなかったんだ!」。
*画像クレジット:ヨーラン・マルムベリ
幸いにも仕様はすぐに決まった。
「ネックにはストラトキャスターを使用することにした」とマルムベリは語る。「また、ギターがネックを離しても安定するよう、ボディの重量バランスにも配慮した。さらに星の先端が演奏の邪魔にならないようにする必要もあった」。
このような奇抜な形状のギターにおいて最大の課題は、実用に耐える強度を確保することだった。
「ボディは複数の合板を重ねて接着し、先端部分が折れないようにした。外側には1ミリのバーチ材(いわゆる航空機用合板)を使用し、塗装にひびが入らないようにした」。
*画像クレジット:ヨーラン・マルムベリ
正しいバランスを得るため、マルムベリはピックアップの位置も工夫した。
「ハムバッカー、特にトレブル側のピックアップはブリッジから少し離して設置し、やや暗めの音にした。リズムギターに適した音にするためだ。また、コントロールノブやカッタウェイの配置も重量バランスに影響している」。
「長いホーン部分はストラップを支えるためのバランスを取る役割を持っていた。ボディの両側にはそれぞれ2つのホーンがある。仕上げにはシルバーの下地にメタルステインを施し、その上に20層のクリアラッカーを塗った」。
*画像クレジット:ヨーラン・マルムベリ
その後、このギターはツアーから引退し保管されたが、長年にわたり所在不明となっていた。2013年にストックホルムにABBAミュージアムが開館した際、展示用としてマルムベリは新たにスター・ギターを製作した。
しかし開館の数日前、ドイツのギターコレクターがオリジナルを所持していることが判明し、結果としてオリジナルとレプリカの両方が展示されることとなった。
2014年、ユーロビジョン優勝40周年を記念して、マルムベリは50本限定の高品質なスター・ギターを製作。すべてにシリアルナンバーが付けられ、彼とビヨルンのサインが施された。
さらに2017年1月、ストックホルムでの公演の際、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングがABBAミュージアムからこのオリジナル・ギターを借り、その日のライブで使用した。まさにこのギターの“スター性”を証明する出来事であった。
このギターは、シルバーの下地にメタルステインを施し、さらに20層のクリアラッカーで仕上げられている。
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