トランセンデンス・シアター・カンパニーは、2026年の「ブロードウェイ・アンダー・ザ・スターズ」シリーズを、ABBAの楽曲で構成された人気ジュークボックス・ミュージカル『マンマ・ミーア!』で締めくくる。
*歌うロリ・ヘイリー・フォックス――ABBAの楽曲で構成された人気ジュークボックス・ミュージカル『マンマ・ミーア!』の出演者の一人。写真:Ro
本作がソノマ郡で上演されるのは今回が初めて。ただし、隣接するマリン郡では過去に何度か上演されており、2018年にはマウント・タマルパイス山頂でマウンテン・プレイが、そして今年5月にはノバト・シアター・カンパニーがシーズン最終公演として上演している。トニー・ゴンザレスが演出する今回のトランセンデンス版は、ソノマの「フィールド・オブ・ドリームズ」で、8月30日まで野外上演される。
スウェーデンのスーパー・ポップグループ、ABBAの音楽が好きでなくても、あるいはよく知らなくても、この作品を楽しむことはできる。しかし、もちろん知っているに越したことはない。公演が終わるまでに、観客はABBAの楽曲を約24曲も聴くことになるからだ。
それらの楽曲は、結婚を控えた花嫁が、これまで一度も会ったことのない父親を結婚式当日に見つけ出そうとする、少々荒唐無稽な物語に組み込まれている。その組み込み方は、うまくいっているものもあれば、そうでないものもある。
母親の日記を読んだ20歳のソフィ・シェリダン(カーステン・レーン・フレイク)は、母ドナ(アリソン・ピアース)が21年前に関係を持った3人の男性を、ギリシャの島で行われる自分の結婚式に招待する。その3人とは、サム(ブレイク・ホワイト)、ハリー(マット・ギブソン)、ビル(ブライアン・レイ・ノリス)だ。
ほどなくしてソフィは、3人全員に自分と一緒にヴァージンロードを歩いてほしいと頼んでしまう。さらに、婚約者スカイ(エルトン・J・タネガ)をだまして傷つけ、母親まで怒らせてしまう。だが、ご心配なく。すべては物語の終わりまでに解決する。
観客は、このようなミュージカルを物語目当てで観に来るわけではない。目当ては音楽だ。そして、ゴンザレス演出によって集められた出演者たちと、音楽監督スーザン・ドラウスのもとに集結し、ケンジ・ハラダが指揮するミュージシャンたちは、その期待に見事に応えている。
力強い歌声は、トランセンデンス作品の大きな特徴である。フレイクが歌う「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」と、ピアースが胸を締めつけるように歌い上げる「ザ・ウィナー」が、その好例だ。
モニカ・カプールの振付が際立つアンサンブル・ナンバーも見どころだった。なかでも「マネー、マネー、マネー」と、有名な足ひれを使った「バレエ」が登場する「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」は、公演のハイライトとなっていた。
出演者は全員が安定した実力を見せているが、なかでもドナの友人ロージーを演じるロリ・ヘイリー・フォックスの見事なコメディー演技が、ひときわ目を引いた。
フォックスは、1999年のウエストエンド初演、ブロードウェイ公演、全米ツアー、そして2008年の映画版を含め、ほぼすべての形態の『マンマ・ミーア!』に関わってきた人物だ。今回も、とびきり愉快な演技を披露している。
『マンマ・ミーア!』は、劇場版の「ポップコーン・ムービー」とでも呼ぶべき作品だ。つまり、観客を楽しませること以外に特別な目的はなく、難しく考える必要もない。初日の観客たちは身体を揺らし、リズムに乗りながら楽しんでいたが、それでまったく問題ないのである。
トランセンデンス・シアター・カンパニーの『マンマ・ミーア!』は、8月30日まで木曜日から日曜日に、ソノマのフィールド・オブ・ドリームズ(151 First St. West, Sonoma)で上演される。
会場は午後17時にオープンし、公演は午後19時に開演。チケット料金は44ドルから165ドル。問い合わせは877-424-1414。公式サイトは bestnightever.org。
※ソノマの「フィールド・オブ・ドリームズ」とは?
フィールド・オブ・ドリームズ(Field of Dreams)は、米国カリフォルニア州ソノマの中心部にある、スポーツ・レクリエーション施設です。通常は野球、ソフトボール、サッカー、ラクロスなどに使われる運動場ですが、夏には客席と舞台が設置され、野外劇場へと姿を変えます。フィールド・オブ・ドリームズ公式サイト
- 所在地:151 First Street West, Sonoma, CA 95476
- 立地:歴史的なソノマ・プラザから徒歩圏内
- 通常の用途:野球、ソフトボール、サッカーなど
- 夏の用途:ミュージカルやコンサートの野外公演
- 劇場形式:芝生の上に仮設舞台と客席を設置
「ブロードウェイ・アンダー・ザ・スターズ」の会場
トランセンデンス・シアター・カンパニーは、この場所で夏季シリーズ「ブロードウェイ・アンダー・ザ・スターズ」を開催しています。
観客は午後5時から会場に入り、開演前に芝生の上で食事を楽しめます。地元ソノマのワインや料理が販売され、地域のアーティストによる音楽演奏も行われます。その後、日が沈んだ野外舞台で、本格的なブロードウェイ形式の公演を鑑賞します。トランセンデンス・シアター公式観劇案内
会場の魅力
一般的な屋内劇場とは異なり、ソノマの自然、夕焼け、夜空を背景にミュージカルを楽しめるのが最大の特徴です。ワインの産地として知られるソノマらしく、観劇前のピクニックと舞台公演を一晩で楽しめる、開放的な会場となっています。
2026年のトランセンデンス版『マンマ・ミーア!』では、この運動場に大型の仮設舞台、照明、音響設備、観客席を設け、完全な野外ミュージカルとして上演されました。
なお、公演はすべて屋外で行われるため、日没後の冷え込みに備えた上着と、芝生を歩きやすい靴が推奨されています。つまり、常設劇場ではなく、夏の間だけ星空の下の劇場に変身する運動公園です。



