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劇団四季 マンマ・ミーア! WATERLOO RADIO

『マンマ・ミーア!』がパーティーを盛り上げる

マーカス・センターで現在上演中の『マンマ・ミーア!』は、27年前の舞台初演以来変わらぬ素晴らしさと、観る者を楽しませる魅力にあふれている。

*写真提供:マーカス・パフォーミング・アーツ・センター

さあ、ABBAファンの皆さん。これは間違いなく皆さんのための作品です。――そう、再びです。

ABBAの楽曲で構成されたミュージカル『マンマ・ミーア!』が、この街に帰ってきたことは、皆さんすでにご存じでしょう。現在マーカス・センターで上演されている公演は、27年前に舞台で初演されて以来の魅力をまったく失っておらず、今回も素晴らしく、心から楽しめる作品となっています。

1975年のヒット曲「マンマ・ミーア」にちなんで名付けられたこのジュークボックス・ミュージカルには、スウェーデンが生んだスーパーグループ、ABBAの数々のヒット曲が盛り込まれています。

物語はコミカルに展開し、良い意味で荒唐無稽で、これでもかというほど派手で大げさ。その雰囲気こそ、まさにこの作品が目指しているものです。

そして、それこそがこの舞台の魅力であり、きらびやかなスパンコール衣装とディスコボールの輝きに包まれながら、ABBAの音楽を一層鮮やかに輝かせているのです。

まずABBAの楽曲があった

何よりも先に存在したのは、ABBAの楽曲でした。

曲を書いたのは、ABBAの名前にある2人の「B」、ベニー・アンダーソンとビヨルン・ウルヴァース。さらに舞台化にあたって使用された楽曲には、スティッグ・アンダーソンが関わった作品も含まれています。

そして、美しく調和した歌声を担当したのが、2人の「A」、アグネタ・フォルツコグとアンニ=フリード・リングスタッドです。

一度聴いたら忘れられないメロディーと、見事に溶け合う2人の歌声。それらによってABBAの音楽、そしてミュージカル『マンマ・ミーア!』は、懐かしさを感じさせながらも、今なお色あせることのない普遍的な魅力を持ち続けています。

ABBAの曲から、どう物語を作るのか

この作品を作るうえでの難題は、もともと存在していたABBAの楽曲をもとにストーリーを組み立て、歌詞が物語の流れの中に自然に溶け込むようにすることでした。

イギリスの劇作家キャサリン・ジョンソンは、まさにそれを成し遂げました。そして、その試みはほぼ見事に成功しています。

物語の主人公はソフィ。

彼女は、シングルマザーの母ドナと暮らすギリシャの島で、結婚式を迎えようとしています。

しかし、ソフィにも母のドナにも、ソフィの実の父親が誰なのか分かりません。

そこでソフィは、父親を突き止めようと、母には内緒でドナのかつての恋人3人を結婚式に招待します。

さあ、ここからドタバタ喜劇の始まりです!

素晴らしく大げさで、これでもかというほど誇張された騒動が次々と巻き起こります。

ダンシング・クイーンズ

3人の男性が突然現れたことで、ドナ(ジェシカ・クラウチ)は動揺します。

そこで彼女を元気づけるのが、かつてドナと一緒にガールズグループ「ダイナモス」で活動していた親友たち、ターニャ(ジャスミン・オーバウ)とロージー(ケイラ・ライアン・ウォルシュ)です。

2人は「チキチータ」や「ダンシング・クイーン」といったナンバーで、最高に愉快な方法でドナをからかいながら励ましていきます。

オリジナル版の演出を手掛けたフィリダ・ロイドの演出では、こうしたコミカルなドタバタ劇と、楽曲が持つシリアスな歌詞とのコントラストが見事に生かされています。

「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」も同様です。

ソフィ(ジュリエット・M・オヘダ)と婚約者のスカイ(グラント・レイノルズ)が互いへの愛を歌い上げる一方、スカイの仲間たちが彼をからかい、真剣なラブソングをまたしても愉快な場面へと変えてしまいます。

3人の父親候補

父親候補となる3人の男性も、女性陣に負けない素晴らしい演技を見せます。

ビル(リーランド・バーネット)、ハリー(ロブ・ハンコック)、そして特に印象的なのが、かつてドナのもとを去った最初の恋人、サム(ヴィクター・ウォレス)です。

ウォレスの力強い歌声によって、「ノウイング・ミー、ノウイング・ユー」のような楽曲は、過去の過ちを悔やみながら振り返る、切ない回想の歌へと生まれ変わっています。

舞台全体が巨大なダンスパーティーへ

アンサンブル全体のダンスも、これまでと変わらず鮮烈でエネルギッシュ。

その躍動感あふれる振付によって、『マンマ・ミーア!』はABBAの名曲の数々をさらに引き立てる、華やかな視覚的スペクタクルとなっています。

「ギミー!ギミー!ギミー!」や「ヴーレ・ヴー」は、舞台上でまるで独自の生命を得たかのよう。

音楽と会場の雰囲気を一気に巻き込みながら、劇場全体を止まることのない巨大なダンスパーティーへと変えていきます。

「ヒア・ウィー・ゴー・アゲイン!」

ですから、筋金入りのABBAファンであろうと(もちろん私もその一人です!)、素晴らしい楽曲と一流のダンスで、とにかく楽しい時間を過ごしたい人であろうと、『マンマ・ミーア!』は最高のパーティーを始めてくれます。

そして、その楽しさが終わる気配はありません。

さあ、もう一度!――ヒア・ウィー・ゴー・アゲイン!

『マンマ・ミーア!』は、マーカス・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツのユーレイン・ホールで、9月27日まで上演されます。

上演時間は休憩1回を含む2時間30分。

推奨年齢は6歳以上です。

詳細については、電話 414-273-7121、またはマーカス・センターの公式サイトをご確認ください。

※「マーカス・センター/ユーレイン・ホール」とは?

今回の記事で紹介されている『マンマ・ミーア!』のミルウォーキー公演は、米ウィスコンシン州ミルウォーキーの中心部にあるマーカス・パフォーミング・アーツ・センター(Marcus Performing Arts Center/MPAC)のメイン劇場、ユーレイン・ホール(Uihlein Hall)で上演されています。

マーカス・センターは1969年9月17日に開館。50年以上にわたって、ブロードウェイ・ミュージカル、オペラ、バレエ、コンサートなどを上演してきた、ミルウォーキーを代表する舞台芸術施設です。 Marcus Performing Arts Center

マーカス・パフォーミング・アーツ・センター公式サイト

1969年に誕生したミルウォーキーの「舞台芸術の殿堂」

マーカス・センター誕生の構想は、第二次世界大戦終結の年である1945年までさかのぼります。戦争記念施設として、芸術、音楽、演劇、公開討論、市民交流の場を設ける構想が始まり、最終的に現在の舞台芸術センターへと発展しました。 Marcus Performing Arts Center

建物を設計したのは、アメリカの著名なモダニズム建築家ハリー・ウィーズ(Harry Weese)。したがって、前にご紹介したフィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージックが「19世紀のヨーロッパ風オペラハウス」なのに対して、こちらは20世紀後半のアメリカ・モダニズムを代表する文化施設という、まったく異なる性格を持っています。 Marcus Performing Arts Center

これまでには、デューク・エリントン、エラ・フィッツジェラルド、レイ・チャールズ、ジョニー・キャッシュなど、アメリカ音楽史を代表するスターもここで公演しています。 Marcus Performing Arts Center

『マンマ・ミーア!』が上演される「ユーレイン・ホール」

センター内には複数の劇場がありますが、その中で最大なのがユーレイン・ホールです。

収容人数は最大2,125人。うちメインフロアだけで1,297席を備えています。マーカス・センター自身が、オペラ、ブロードウェイ・ミュージカル、演劇、ダンスに適した劇場と位置付けています。 Marcus Performing Arts Center

つまり今回の『マンマ・ミーア!』は、マーカス・センターにある小劇場の一つで上演されているのではなく、2,000人以上を収容するセンター最大のメインホールで上演されているわけです。

ブロードウェイ作品のミルウォーキーにおける中心舞台

ユーレイン・ホールは現在、マーカス・センターのブロードウェイ・シリーズの中心会場です。また、ミルウォーキー・バレエ、フロレンタイン・オペラ、ミルウォーキー・ユース・シンフォニー・オーケストラなどの公演にも使用されています。 Marcus Performing Arts Center

舞台設備も大型作品に対応しており、公式資料によると、オーケストラ・シェル開口部の幅は約50フィート(約15.2m)、舞台前端から後壁までの奥行きは約39フィート(約11.9m)、高さは約44フィート(約13.4m)。さらに11の楽屋、2つのコーラスルーム、アーティスト・ラウンジを備えています。 Marcus Performing Arts Center

『マンマ・ミーア!』のように、大人数のアンサンブル、ダンス、照明、大型セットを組み合わせる北米ツアー作品を受け入れるのに適した本格的な劇場です。

2020年には約400万ドルをかけて大改修

ユーレイン・ホールは歴史ある劇場ですが、内部は近年大きく更新されています。

2020年に約400万ドルを投じた改修工事が行われ、新しい客席への交換、アクセシビリティの改善、観客の動線改善、カーペットや塗装の更新、通路の拡幅などが実施されました。 Marcus Performing Arts Center

そのため、1969年開館の歴史を持ちながら、観客が実際に利用する部分についてはかなり現代化されています。

改修後にはブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』も上演され、2021~22年シーズンの16公演は利用可能な座席をすべて完売。42州から3万3,000人以上が訪れたとセンターは報告しています。 Marcus Performing Arts Center

『マンマ・ミーア!』との相性

今回の記事で評者が強調しているのは、『マンマ・ミーア!』が単にABBAの楽曲を聴かせる作品ではなく、歌、ダンス、照明、衣装、アンサンブルが一体となって、劇場全体を「パーティー」に変えてしまう作品だという点です。

2,125人規模のユーレイン・ホールは、まさにそのタイプの作品に向いた会場でしょう。

「ダンシング・クイーン」「ギミー!ギミー!ギミー!」「ヴーレ・ヴー」といったナンバーで、大人数の観客が同時に盛り上がれる規模でありながら、巨大スタジアムではなく、あくまで本格的な舞台芸術用の劇場です。

ミルウォーキーの中心部、川沿いに建つ劇場

所在地は929 N Water Street, Milwaukee, Wisconsin 53202。ミルウォーキー中心部の川沿いに位置しています。ユーレイン・ホールへはウォーター・ストリート側の入口から入場できます。 Marcus Performing Arts Center

館内にはエレベーターやスロープが設けられ、車椅子で利用できる入口も整備されています。ブロードウェイ・シリーズでは通常、土曜日午後2時のマチネ公演で手話通訳付き公演も用意されています。 Marcus Performing Arts Center

基本情報

正式名称: Marcus Performing Arts Center
劇場: Uihlein Hall
所在地: 929 N Water Street, Milwaukee, Wisconsin 53202
センター開館: 1969年9月17日
設計: ハリー・ウィーズ
ユーレイン・ホール収容人数: 最大2,125人
主な公演: ブロードウェイ・ミュージカル、オペラ、バレエ、コンサートなど Marcus Performing Arts Center

今回の『マンマ・ミーア!』公演を理解するうえで重要なのは、ユーレイン・ホールがミルウォーキーにおける大型ブロードウェイ・ツアーの中心的な舞台の一つだということです。

フィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージックが「1857年開館の華麗な歴史的オペラハウス」なら、ユーレイン・ホールは「1969年に誕生し、現代の大型ブロードウェイ作品を受け止めるミルウォーキーの舞台芸術の中心地」と表現すると、両者の違いが分かりやすいでしょう。

https://shepherdexpress.com/culture/theater/mamma-mia-gets-the-party-started/


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