元セックス・ピストルズのボーカル、ジョン・ライドン(通称ジョニー・ロットン)は、1977年に彼のバンドと音楽界のアイコン、ABBAが遭遇したという奇妙な出来事を振り返りました。
時は1977年7月。セックス・ピストルズはスカンジナビア初のツアーに乗り出しており、デンマークとノルウェーでそれぞれ2公演、そしてスウェーデンではなんと8公演を行ない、ストックホルムの「ハッピー・ハウス」クラブでは2夜連続でステージに立ちました。
当時、イギリスでは過激なイメージが災いしライブ会場の確保に苦戦していた彼らでしたが、この北欧ツアーは無事実現。その道中で、当時のベーシスト、シド・ヴィシャスが憧れの存在だったABBAと出会う機会に恵まれたのです。
また、かつてピストルズのベーシストを務めていたグレン・マトロックは、ABBAの「SOS」にインスパイアされてピストルズの代表曲「Pretty Vacant」のベースラインを作曲したといいます。
あるノルウェーのジャーナリストは、セックス・ピストルズについてこう語っています。
「彼らはABBAのカセットしか持ってなかったわ。24時間ずーっと、そればっかり流してたの」。
「シドが走って行った」。
ジョン・ライドンはインタビューで、スウェーデンの空港でABBAに遭遇した際のことを語りました。
「スカンジナビアでずっとフライトがキャンセルになってて、俺たちは一日中飲んでた。けどシドは酒に弱かった」とライドン。
そして続けます。
「そこへABBAが現れたんだ。全員、真っ白な毛皮のコートでキメてて、まるでホッキョクグマみたいだった。シドはそれを見た途端、駆け寄って『ABBA!』って叫んだんだ。そしたら、吐いた」。
「彼ら(ABBA)は完全にドン引きしてたね。その後、俺たちは引き離された。警察のワゴン車が来たんだ」と語りました。
なお、シド・ヴィシャスは1978年2月に死去しています。
今年2月には、ライドンがアメリカの歌手テイラー・スウィフトを「信じられないほど退屈」と批判した発言も話題になりました(Novaによる別記事で詳報あり)。
また、セックス・ピストルズのスティーヴ・ジョーンズは、バンドがフランク・カーターとともにアメリカで大規模ツアーを計画していたことも明かしています(これもNovaの記事で紹介)。