ユーロビジョン・ソング・コンテスト2026は、ウィーンの Wiener Stadthalle を壮大な視覚スペクタクルへと変貌させ、現代のテレビ演出において照明デザインがいかに重要な役割を果たしているかを改めて証明した。
イベントの照明演出を担当したのは ティム・ラウトレッジ とそのクリエイティブチームである。
記念すべき第70回大会において、彼らは Robe(ローブ)社 の技術を大規模に採用し、アリーナ全体に約550台もの照明機材を配置した。
ショー全体の舞台美術は、曲線を多用した構造物、巨大な映像スクリーン、そして大規模な吊り下げ式セットを中心に構成されていた。
その目的は、会場にいる観客だけでなく、世界中へ配信されるテレビ映像を通じても没入感を生み出す空間を作り出すことだった。
その中でRobeの照明機材は、各パフォーマンスの奥行き、ダイナミズム、そして視覚的アイデンティティを形成するうえで重要な役割を果たした。
新型「GigaPointe」が主役に
今回の照明システムの中で特に注目を集めたのは、新型の Robe GigaPointe(ギガポインテ) だった。
なんと 190台 ものGigaPointeが使用された。
この機材は、2026年の ISE(Integrated Systems Europe) で正式発表されたばかりであり、ユーロビジョンはその最初の大規模導入例のひとつとなった。
350Wレーザー・フォスファー光源を採用したGigaPointeは、ショー全体の「美的エンジン」として機能した。
ビーム、ゴボ、立体的な光の演出を会場全体へ送り出し、舞台演出の中心となったのである。
GigaPointeは、
- 大型の湾曲したキャットウォーク
- 円形の吊り下げ構造物
- メインステージ周辺
に配置され、今回のプロダクションを特徴づけた映画的な映像美の創出に大きく貢献した。
特にサンマリノ代表のパフォーマンスなどで使用された SpectraBeam(スペクトラビーム) 効果は圧巻だった。
多彩な色のビームが交差し、テレビカメラに映える極めてドラマチックなビジュアルを作り出した。
98台の「WTF!」
GigaPointeに加え、照明デザインでは 98台の Robe WTF! も大規模に使用された。
WTF! はIP65対応の高出力ストロボ・ウォッシュ・ブラインダーであり、主に天井に設置された大型構造物で使用された。
ティム・ラウトレッジは、
- ズーム
- パン
- チルト
- LEDゾーニング
の制御機能を積極的に活用した。
その結果、
- 激しいストロボ効果
- 柔らかくコントロールされたウォッシュ照明
など、まったく異なる表現を自在に生み出すことができた。
これらは特にテレビ放送向けの演出において大きな効果を発揮した。
映画用大型センサーカメラを初採用
今回のプロダクションで最も興味深い要素のひとつは、
ORFがユーロビジョン史上初めて大型センサー搭載のシネマティックカメラを採用したこと
である。
この決定によって照明チームには新たな創造的可能性が生まれた。
映像に映るディテール量が大幅に増加し、
- テクスチャー
- 光量
- 色再現性
をこれまで以上に繊細にコントロールできるようになった。
iFORTEシリーズによるキーライト
このような超高精細環境では、出演者を照らすキーライトの重要性がさらに高まった。
そこでラウトレッジは、
- 64台の Robe iFORTE
- iFORTE LTX
を採用した。
これらには HCF(High Colour Fidelity=高色忠実度)エンジン が搭載されている。
これらの照明は、
- アーティスト
- 司会者
- グリーンルーム
の照明に使用された。
機材は会場周辺の構造物やステージ上部のリング状構造物に配置され、長距離照射能力と放送向けに最適化された高品質な光を提供した。
SVB1とHolyPATTが空間を演出
巨大な照明システムを締めくくったのは、
182台の Robe SVB1
である。
これらは会場建築の構造美を強調するために使用され、
- きらめく光の効果
- ダイナミックな動き
を生み出した。
さらに、
25台の HolyPATT
がウィーンらしいレトロスタイルのグリーンルームに配置された。
HolyPATTは極めてリアルなタングステン照明の再現機能を持っており、その暖かく演劇的な光によってグリーンルームに独特の雰囲気を与えた。
情報提供:Robe Lighting
(robe.cz)



