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劇団四季 マンマ・ミーア! WATERLOO RADIO

『マンマ・ミーア!』広島公演が開幕――ABBAの名曲とともに、笑顔と感動のフィナーレへ

ミュージカル『マンマ・ミーア!』の広島公演が10月4日(日)、上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)で開幕した。名古屋、横浜で多くの観客と感動を分かち合ってきた本作は、広島で今回の公演のフィナーレを迎える。初日の劇場は、舞台との再会を待ちわびた観客の熱気に包まれ、カーテンコールでは色とりどりのペンライトが客席を彩った。

舞台は、エーゲ海に浮かぶギリシャの小島。世界的ポップグループABBAのヒットナンバーにのせて、母と娘の絆、友情、そして人生の新たな一歩を描く。明るく軽快な音楽とユーモアに満ちた物語の中に、過去への思いや将来への迷いが織り込まれ、登場人物たちの選択が観客の心に温かな余韻を残す作品だ。

昨年の名古屋公演では、海外クリエイティブスタッフが来日し、台詞や振付を時代に合わせてアップデートした。作品が持つ魅力を大切にしながら、人物の心情や関係性をより深く伝える舞台へと進化。名古屋、横浜で届けてきた、その新たな『マンマ・ミーア!』が、いよいよ広島の観客の前に姿を現した。

物語の中心となるのは、シングルマザーとして娘を育ててきたドナと、結婚式を控えた20歳の娘ソフィ。自分の父親が誰なのかを知りたいソフィは、母の過去に手掛かりを見つけ、かつての恋人3人をドナに内緒で結婚式に招待する。父親がわかれば、自分自身についても何かが見えてくるはず――。そんなソフィの願いが、結婚前夜の思いがけない騒動を引き起こしていく。

島にはドナの旧友たちも祝福に駆け付け、再会を喜ぶ時間と、突然よみがえった過去への戸惑いが交錯する。それぞれの思いを抱えた登場人物たちは、ときにすれ違い、悩みながらも、自分にとって大切なものを見つめ直していく。結婚式をめぐるにぎやかな出来事の奥にあるのは、互いを思いやる気持ちと、人生を自分の足で歩もうとする意志だ。

ABBAの楽曲は、その一つひとつの場面で、登場人物の喜びや迷い、言葉にしきれない思いを鮮やかに伝える。親しみのあるメロディーが物語と重なることで、聴き慣れた歌にも新たな表情が生まれる。音楽を楽しむ高揚感と、人物の心に寄り添う感動が自然に結びつくところに、この作品ならではの魅力がある。

初日公演では、ABBAの音楽が場内に響き渡ると、舞台は一気に陽光あふれるエーゲ海の小島へ。母と娘を中心に繰り広げられる騒動を通して、笑いと切なさが交互に訪れ、物語はそれぞれの未来へと進んでいった。幸福感に満ちたラストシーンを迎えるころには、舞台と客席が同じ喜びを分かち合っているかのような空気が劇場を包んだ。

そしてカーテンコールが始まると、熱気は最高潮に達した。「この時を待っていた」と言わんばかりに観客が一斉に立ち上がり、客席には色とりどりのペンライトが輝く。「ダンシング・クイーン」では観客も振付を楽しみ、舞台から届けられる歌と踊りに応えるように、劇場全体が一体感と歓喜に包まれた。

『マンマ・ミーア!』広島公演は、11月23日(月・祝)までの期間限定で上演される。期間中は、作品をさらに楽しむためのイベントも開催される予定だ。ABBAの名曲に心を弾ませながら、母と娘、そして島に集う人々の新たな旅立ちを見届ける秋。名古屋、横浜からつながってきた舞台は、広島で最後の公演まで、笑顔と感動を届けていく。

*写真提供:劇団四季 撮影:重松美佐


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