イスラエルがユーロビジョンで優勝目前となったことを受け、新規則で優勝国の自動的な開催権が認められない可能性
2027年にブルガリアで開催される大会を前に、欧州放送連合(EBU)は、戦争や地政学的緊張によって安全な開催が困難な場合、優勝国が翌年の開催権を失う可能性があると発表した。出場者の最低年齢も18歳に引き上げられ、生歌唱に関する規則も明確化される。
ユーロビジョン・ソング・コンテストで、新たな規則改定が実施される。そのうち少なくとも一つは、イスラエルに明確な影響を及ぼす内容となっている。
欧州放送連合(EBU)が発表した新規則では、安全上の懸念、戦争、または慎重な対応を要する地政学的情勢によって大会の開催が危険にさらされる可能性がある場合、ユーロビジョンで優勝しても、その国が翌年の大会を自動的に開催できるとは限らなくなる。
*ウィーンで開催されたユーロビジョン2026のイスラエル代表、ノアム・ベタン。
(写真:AP通信/マルティン・マイスナー)
この規定は、近年、長期にわたる戦争に直面してきたイスラエルとウクライナにとって、特に関係の深いものとなる。
また、ウィーンで開催された2026年大会で、イスラエル代表が2位となり、優勝に迫ったことを受けて導入されるものでもある。
優勝国が安全に大会を開催できるかどうかについて懸念が生じた場合、EBUは開催予定地を対象とした独立機関による安全評価を依頼できる。
EBUはその評価結果を検討したうえで、優勝国の放送局がユーロビジョンを安全に開催できるかどうかを判断する。開催能力がないと判断した場合、EBUは大会を開催する別の放送局を選定する。
代替となる放送局は、優勝国を「代理」してユーロビジョンを開催するわけではない。大会の制作、運営、開催に伴うすべての権利、義務、責任を全面的に引き継ぐことになる。
この原則には前例がある。
ウクライナは前年のユーロビジョンで優勝したものの、2023年大会を開催できなかった。戦争のため、出場者、スタッフ、観客の安全を保証することは不可能だとEBUが判断したからだ。
そのため、大会はイギリスのリバプールで開催され、BBCがウクライナの公共放送局と協力して開催を担当した。
最低年齢を18歳に引き上げ
EBUは、ユーロビジョン出場者の最低年齢を16歳から18歳へ引き上げる。
EBUによると、この変更は、若い出演者をより適切に保護し、ユーロビジョンほどの規模を持つ大会に出場することで生じる強いプレッシャーに対処するための継続的な取り組みの一環だという。
もう一つの変更では、生歌唱に関する規則が明確化された。
基本的な要件に変更はなく、リード歌手は楽曲の主旋律を生で歌わなければならない。
伴奏用音源や事前に録音された要素は、今後も規則の範囲内で使用できる。しかし、事前収録された歌声をリード歌手の代わりに使用したり、事実上、生歌唱の代用となるような形で主旋律を補強したりすることは認められない。
今回の規則改定は、ウィーンで開催された2026年大会を前に導入された大幅な改革に続くものだ。以前の大会では投票や宣伝活動をめぐる論争が起き、その多くがイスラエルを中心とするものだった。
2026年大会に向けた変更では、審査員投票が両準決勝に復活した一方、視聴者1人当たりが投じられる票数の上限は20票から10票へ削減された。
またEBUは、組織的または不正な投票を防止するための対策を強化した。さらに、政府や政府機関が支援するキャンペーンを含め、第三者による過度な宣伝活動を防ぐことを目的とした規則も厳格化した。
EBUは当時、これらの措置について、大会の中立性を守り、不当に結果へ影響を与えようとする試みを防ぐためのものだと説明した。変更を発表した際、EBUがイスラエルを名指しすることはなかった。
これらの変更は、イスラエル代表に対する視聴者からの強い支持や、政府が支援するキャンペーンが視聴者にイスラエルへの投票を促したとの疑惑をめぐる論争を受けて導入された。
2026年大会から導入された規則では、不自然な投票傾向についても調査でき、組織的または不正な投票に対して措置を講じることが可能となっている。
ブルガリアがユーロビジョン2027を開催
次回のユーロビジョン・ソング・コンテストは、ブルガリアで開催される。ブルガリアの歌手DARAが、ウィーンで行なわれた2026年大会で優勝したためだ。
EBUによると、ウィーン大会は、視聴率を測定した35のテレビ市場で1億3,200万人が視聴した。
2027年大会では、ユーロビジョンにとって、もう一つの大きな変化が起きる。カナダが初出場する予定となっているのだ。
EBUとCBC/ラジオ・カナダは7月、カナダがブルガリアで開催されるユーロビジョン2027に参加すると正式に発表した。カナダは、2015年に出場を開始したオーストラリア以来、初めて新たに大会へ加わる国となる。
しかし、イスラエルにとって最も重大な変更は、新たな開催地に関する規定かもしれない。
将来、イスラエルがユーロビジョンで優勝すれば、トロフィーを持ち帰ることはできる。しかし、改定された規則の下では、翌年の大会そのものが必ずしもイスラエルで開催されるとは限らなくなる。



